高齢者向けRSウイルスワクチン、アレックスビー筋注用について
今、注目されている感染症が「RSウイルス」です。RSウイルス感染症は、RSウイルスにより引き起こされる呼吸器感染症です。RSウイルス感染症は一般的には軽度で回復しますが、高齢者、慢性の基礎疾患(喘息、COPD、心疾患など)、免疫機能が低下している人の場合、RSウイルスにかかるとインフルエンザよりも重症化しやすいこともわかっているのです。
RSウイルスワクチンは、RSウイルス感染症の発症や重症化を防ぐ目的で開発されたワクチンです。
RSウイルスは成人の場合、外来で診断するのが難しく、あまり注目を集められていませんでしたが、実は高齢者では死亡者数が多い感染症の1つです。
RSウイルスワクチンの対象者は原則「60歳以上の方」に推奨されています。
特に下記を持っている方は接種を検討した方が望ましいでしょう。
肺気腫(COPD)の方(長期にタバコをすって肺機能が落ちている方)
喘息を持っている方
心不全がある方
脳こうそく・脳出血などの脳疾患がある方
糖尿病・慢性腎臓病などの基礎疾患がある方
血液疾患や免疫不全・担癌患者など
■費用
「アレックスビー筋注用」 27,000円(税込)
■回数
1回接種、筋肉注射となります。
■副作用
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注射部位の痛みや腫れがあらわれる場合があります。
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まれに頭痛、筋肉痛、関節痛、疲労などがあらわれる場合があります。
子宮頸がんワクチン「9価ヒトパピローマウイルスワクチン」について
令和5年4月から、子宮頸がん予防ワクチンの9価ワクチン(シルガード9)が浜松市でも対象者は公費(無料)で受けられるようになりました。
当院では、HPVワクチンの定期接種(公費助成)と、自費接種が可能です。
■費用
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定期接種(公費助成) 自己負担なし
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自費接種(税込) 1・2・3回目回目 25,000円/合計75,000円
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問診のみ(医師の判断により接種中止の場合)2,000円
■回数
6ヵ月間で基本3回接種、筋肉注射となります。
1回目の接種から2か月の間隔を空けて2回目を接種、1回目から6か月の間隔を空けて3回目を接種します。
■副作用
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接種を受けた部分の痛みや腫れ、赤みなどの症状が起こることがあります。
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ワクチンの接種を受けた後に、まれですが、重い症状が起こることがあります。
広い範囲の痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動といった多様な症状が報告されています。
詳細は上記「HPVワクチンの接種を検討しているお子様と保護者の方へ」をお読みください。
15価肺炎球菌ワクチン「バクニュバンス」について
15種類の肺炎球菌に対応したワクチン「バクニュバンス」が発売されました。
肺炎は日本人の死因の第5位で、肺炎での死亡者の95%以上は65歳以上の高齢者が占めており、市中肺炎の原因菌で最も多いのが肺炎球菌となっています。
肺炎球菌が肺炎や気管支炎などの感染症を引き起こし、敗血症など重症化した場合、致命的になることもあります。また、体の抵抗力(免疫力)が弱まったときなどでも発症しやすく、65歳未満の方でも肺炎球菌に感染するリスクが高い人は注意を要します。
65歳以上の方と、肺炎球菌による重篤な菌血症の高リスク(慢性呼吸器疾患やがん患者さん,脾摘をした患者さん)は、接種されることをご検討ください。お気軽にご相談ください。ご不明な方はご相談ください。
■費用
「バクニュバンス」 11,000円(税込)
■回数
1回接種
■副作用
接種部位の痛み・赤み・腫れ、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛がみられることがあります。
帯状疱疹ワクチン「シングリックス」について
帯状疱疹は、多くの人が子どもの頃に感染する水ぼうそうのウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)が原因で起こります。水ぼうそうになった後もこのウイルスは体の中に潜んでおり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になると言われています。
シングリックスの帯状疱疹に対する予防効果は、 50歳以上の方で約97%、70歳以上の方で約90%と報告されており、水痘ワクチンよりも有効性が高いと考えられます。
■費用
「シングリックス」 1回 23,100円(税込)
※50歳以上の浜松市民は1回19,600円(税込)
■回数
2ヵ月空けて2回接種
■副作用
射部位の痛みや腫れがあらわれますが、副反応の多くは3日以内に治まります。